昨年のクリスマスイヴに、石川県金沢市郊外にある日本一といわれる烏骨鶏の養鶏農場を見学して来ました。小松空港に出迎えてくれた総販売元の(有)医食の池田社長の車で金沢市街まで約40分。更に、烏骨鶏農場の株式会社中国医食研究所、河内隆徳社長の車で約20分。金沢市街を一望出来るという現在建設中の展望台の脇を通り、更に峠を越え、少し下った丘陵地帯の竹林に、約一万六千平方メートルの目指す烏骨鶏の農場はありました。
本来なら、11月以降は部外者は一切農場に入れない時期です。しかし、河内社長のご好意で、クリスマスを翌日に控え超多忙の時期に、無理を言って見学させて頂きました。当日は、雪も降らず、午前中は晴天に恵まれました。
広々とした竹林の中で放し飼いにされ、自由に動き回っている数十羽の烏骨鶏の姿が見えました。しかし、この年末の時期は、既に気温がかなり下がって来ているので、鶏舎の中で過ごす烏骨鶏が大方だそうです。現在、この養鶏場には、実に2万羽以上の烏骨鶏が飼育されているといいます。文字通り、集約農場としても日本一、多分、世界一の規模でしょう。そして、この農場は、日本で唯一、中国政府から烏骨鶏の研究農場として指定されています。
そして、烏骨鶏の鶏舎の中に入りました。そこで、驚いたことがあります。全く鶏舎特有の、といいますか、農場にありがちな、鼻を突くような嫌な臭いがほとんどしませんでした。これは、河内社長の自慢でもあるのですが、化学飼料の餌を一切使用せず、床どこにも天然のおがくずを使用しているからのようです。そして、農場にわんさかいそうなハエの姿も全く見当たりませんでした。時期的にそういうものかと思いましたが、夏場でも、ハエの姿は全く見当たらないそうです。それだけ、烏骨鶏の飼育と健康管理を徹底していることがよくわかります。
烏骨鶏には、外見が黒色のものと、白色の烏骨鶏がいますが、大柄の黒色が中国南部原産の烏骨鶏、ちょっと小さめのが韓国原産の烏骨鶏だそうです。そして、白色は、中国北部原産だそうです。
烏骨鶏は、日本では観賞用として飼育している人もいるくらいに、見掛けがとても凛凛しくて、羽根は近づいてみると、とても柔らかくてふわふわとした感じを受けます。農場では、数百羽単位の烏骨鶏が原産地別に、自由に動き回れるように放し飼いに近い形で、出来るだけストレスをためないような環境を与えられて、飼育されています。あちこちから聞こえる烏骨鶏の鳴き声に、早朝かと見間違うほどでしたが、これだけの数の烏骨鶏がいれば、当然といえば当然のことです。
烏骨鶏は世界の約250種のニワトリの中で、唯一の薬用鶏といわれ、中国では、
「嫁入りのタンスを忘れても烏骨鶏は忘れるな!」といわれ、「走る漢方薬」ともいわれているそうです。
それだけ、薬効が高く、もともとは、婦人病の妙薬として珍重されてきました。中国では、烏骨鶏は漢方薬として約千五百年以上の歴史があるといいます。中国明代の薬書『本草綱目』や、日本の『本朝食鑑』『和漢三才図会』にもその効能が記されています。
しかし、河内社長は、いくら昔からそれが良いとされていても、科学的な証明がされていなければ納得出来ない!。そのため、烏骨鶏の研究を始めた当初から、東北大学、富山医科薬科大学、東京大学、広島大学などの先生方との共同研究を数多く行いながら、烏骨鶏の神秘的な効能の科学的な裏づけをとってきました。その金額たるや「もう、莫大な金額を費やした!」と仰る通り、私財をなげうって研究開発に掛けてきたといいます。
しかしながら、当時はまだまだ烏骨鶏の認知度がなく、ほとんど売上につながらなかったそうです。だが、他の人のやらないことをやる!という信念と、「近い将来、必ず、『食』つまり、食べることが、すなわち、『医』に繋がる」ということを人々が意識し出す時代が必ずやってくるという深い思いから、未知の烏骨鶏の飼育と商品化に情熱を費やしてきたそうです。そして、現在まで30年以上もの長きにわたり、烏骨鶏一筋、その研究にその情熱を掛けてきました。その間、烏骨鶏を日本で飼育するには、やはり烏骨鶏の身になって、烏骨鶏の気持ちがわからなければいけないと思い、3年間鶏舎に寝泊りしながら、文字通り烏骨鶏と寝食を共にしながらの生活をしたといいます。
そんな熱き情熱を傾ける河内社長ですが、
ある時、ある方から、「もし生まれ変わったら、また烏骨鶏の飼育と研究をしますか?」と尋ねられたそうです。質問をした人もそれだけの情熱があるのならば、もちろん、生まれ変わっても烏骨鶏の仕事をするだろうと、見込んでの質問だったと思います。ところが河内社長は、「いや、やりませんね。こんな大変なことだとわかっていたなら、絶対やりません!わかっていなかったから、がむしゃらに出来たのだと思います。わかっていたなら、こんな大変な思いは二度としたくありませんね!」とキッパリと答えたそうです。それほど、日本での烏骨鶏の飼育は、全くゼロからの出発で、辛酸を舐めるような非常に大変な事業だったわけです。
そんな河内社長の烏骨鶏とのもともとの出会いは、30年以上前、日本政府から中国のブロイラーの技術指導員として選出され、初めて中国を訪問したときに遡ります。初めて烏骨鶏を知り、その素晴らしさにすっかり魅せられてしまったのがきっかけでした。以来、鶏舎に寝泊りしながらの格闘が始まったわけです。
飼育で、一番注意したのが「気」だと河内社長は仰います。烏骨鶏がストレスなく自然な環境の中でのびのびと生育するような場を提供すること。飲み水は、この一帯の豊富な湧き水だけ。鶏舎は、酢で消毒して、薬品類は一切使わない。エサは、兵庫県産の酒米山田錦の胚芽、コマツナ、ドクダミ、ヨモギ、ハトムギなど人間でも贅沢に感じるような健康食です。「気は、生命力!」「薬鶏として育てなければ、烏骨鶏と言えない!」と断言されます。そのため、純正の烏骨鶏の飼育に徹底しています。他のニワトリなどと一緒に飼育しているようなことはもっての外で、同じ烏骨鶏の仲間でも、中国南部産や北部産、韓国産などが交雑しないように、種類別に分けて飼育しています。更に、野生の鳥の侵入を防ぐように厳重な管理体制もとっています。
そんな徹底した管理の中で、出来るだけ自然な環境でストレスなく飼育され、純正を保ちながら育てられる烏骨鶏の健康食品としての魅力はなんでしょうか?
烏骨鶏の特長として、その色の黒さがあります。羽毛が黒い烏骨鶏と白い烏骨鶏がいますが、羽の色に関係なく、骨や皮、内臓から爪まで全て黒いのが特徴です。ここまで黒い生き物は、烏骨鶏以外には、この地球上にないのではないかとさえ言われています。これはメラニン色素によるものですが、最近では、黒酢、黒砂糖、黒豆、黒ゴマなど黒い健康食品が注目されています。
・烏骨鶏は、アルカリ性食品です
烏骨鶏は動物性食品でありながら、アルカリ性食品です。私たちの食生活は、肉類中心の食事や塩分の過剰摂取、野菜不足などが原因で血液が酸性に傾きがちです。体が酸性体質になると慢性疲労、脱力感、女性の場合は肌荒れの原因にもなります。さらに酸性食品や高脂肪食品の過剰摂取によって、さまざまな病気の原因とされています。
・烏骨鶏は、ミネラルの宝庫です
微量元素であるミネラルは、烏骨鶏を語る上で、とても重要な事柄のひとつです。最近、問題になっているのが現代人のミネラル不足です。亜鉛、鉄分、銅、マグネシウム、カルシウム、リンなど人体構成に不可欠なミネラルが、子供から大人にいたるまで基本的に不足していると言われています。その理由は食生活の変化や運動不足などの生活習慣の変化、さらにはストレスによる胃腸障害などさまざまです。なかでも、食生活の変化が一番大きな原因として考えられていて、例えば、イワシの丸干しや煮干、大豆、ひじき、しじみ、切り干し大根、ゴマといった伝統的な日本食が敬遠されているところに問題があります。
そのために基礎体力の不足、病気に対する抵抗力や記憶力の低下、疲労の蓄積、冷え性や貧血といった症状、また国民病ともいえる糖尿病などの生活習慣病、さらには性ホルモンの異常による男性のインポテンツや女性の不妊症の増加など、さまざまな現象がおこっています。
烏骨鶏のミネラル成分には、鉄や亜鉛をはじめリン、銅、カルシウム、マグネシウム、イオウ、マンガンと多彩です。なかでも鉄分はホウレン草の9.6倍、亜鉛は大豆の3.3倍、マグネシウムはスッポンの3.8倍と突出しています。
・烏骨鶏のビタミン群
烏骨鶏には各種ビタミンが豊富に含まれています。とくにビタミンAはその宝庫と言われるウナギと比較して9.7倍にもなります。ビタミンAは上皮保護ビタミンとも言われ、皮膚や粘膜の成長や維持に欠かすことの出来ないビタミンです。視覚、聴覚、味覚などの機能維持にも重要な働きをしています。またすぐれた抗酸化作用のあることが分っており、ガンや成人病の原因とされている過酸化脂質の生成を防ぐ効果があります。さらにビタミンAの化合物であるレチノイドに肝臓ガンを予防する効果のあることが確認されています。
次に美容ビタミンと言われているビタミンB2は牛レバーの1.8倍含まれています。B2は、脂肪の分解の促進や有害な過酸化脂質を分解し、体内成分の合成と分解に関係する最も基本的な働きをします。それが皮膚毛細血管の保護や脂質代謝改善につながります。潤いのある美肌、血色のよい唇、黒く輝く瞳などにはすべてこの働きが作用しています。これが不足するとニキビや吹き出物をはじめ、目や鼻、口の周囲などにトラブルが起こるわけです。そのほかに、造血ビタミンと言われるビタミンB12、脂肪の酸化を防ぎ動脈硬化や高血圧を予防するビタミンE、赤血球を形成し血糖値を調節するパントテン酸などがバランスよく豊富に含まれています。
・DHAとEPA
烏骨鶏の骨髄や卵には、血液をきれいにしてくれるDHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などが含まれています。これらはともに高度不飽和脂肪酸とか多価不飽和脂肪酸と呼ばれる脂肪を構成している物質のことで、人間の体内では合成することができないため、外から食品として摂取しなければならない必須脂肪酸です。
日本人やエスキモーは欧米人に比べて冠状動脈硬化による心臓病が少ないと言われます。
その理由の一つにDHA、EPAを多く含むイワシ、サバ、サンマなどの青魚やマグロを日常的に食べているからだと考えられます。そのため最近、一気にDHA人気が高まりDHAを含むサプリメントや飲料、ビスケットまで売られるようになりました。
DHAやEPAは長い間、海産物にしか含まれていないとされていました。ところが平成三年、日本食品分析センター(本社・東京)による分析の結果、烏骨鶏にも含まれていることが確認されました。現段階では、陸上にすむ動物では初めての発見です。烏骨鶏が頭に良いといわれてきた所以です。
こんなにも多くの栄養素を含む烏骨鶏ですが、昔から幻の鶏といわれるくらいに、稀少で高価なものでした。その理由として、普通のニワトリのように毎日のように卵を生むことがありません。せいぜい一週間に1個。そして、孵化・生育率がとても低く、繁殖率が弱いため、烏骨鶏自体の数が少ないこと。更に、飼育が難しいなどが挙げられます。
しかし、日本では、河内社長の長年の努力のお陰で、純正烏骨鶏として、数は限定つきながら量産することが可能となりました。それでも、依然として希少性の高いものであることには変わりありません。
実際、河内社長の農場では徹底した選抜主義のため、孵化したヒナの25%しか成鳥にならないといいます。そして、卵は一週間から十日に一個しか生まないといいます。それでも、卵は2万羽もいれば毎日のように生まれますので、まだいい方です。しかし、烏骨鶏自体となると、一層限定されたものになります。
現在、中国医食研究所で飼育される烏骨鶏は、観賞用の烏骨鶏やたくさん産卵するようにかけあわせたものと区別するために「天来烏骨鶏」とネーミングされ、酢卵やカステラ、発酵酒などの加工食品があり、三越をはじめ、全国の有名デパートで販売されるまでになりました。
そして、河内社長の念願の夢であった「医食同源」の考えに基づいて、昨年、烏骨鶏の数々の栄養素を簡単に無理なく摂取出来るように、更にバージョンアップされ、数種類の健康食品として発売されました。
今回ご紹介する烏骨鶏の健康食品は、3種類です。
烏骨鶏の卵の黄身だけで作った「卵黄油」。烏骨鶏をまるごとスープにしたものと同じ成分を含んだ「蔘鶏湯(サンゲタン)」。烏骨鶏の骨髄を抽出した「命源」。
それぞれ用途に応じて、ご利用頂けます。
「卵黄油」は、厳選された生みたての烏骨鶏卵の黄身から抽出した純正の卵黄油です。主成分として、レシチンやビタミンE、オレイン酸やリノール酸が多量に含まれています。
「蔘鶏湯(サンゲタン)」は、烏骨鶏を丸ごとにしたものをベースに、さらに烏骨鶏の栄養素を付加し、粒状にしたものです。鉄分、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、マンガンなどのミネラルが豊富で、各種ビタミン(A、B2、B12)や必須アミノ酸を主成分としています。
「命源」は、烏骨鶏の骨髄(マロー)の多種多様な栄養素を含んでいます。烏骨鶏の骨髄は、烏骨鶏一羽に対して、小匙一杯程度ほどしか抽出できない、とても貴重なものです。